■ビジネス大国シンガポール
シンガポールのビジネス環境は世界的に見ても高い評価を得ています。
世界銀行が毎年発表する世界189か国・地域のビジネス環境ランキング「Doing Business 2018」では、
シンガポールは総合ランキング(ビジネスのしやすさ)において2位となりました。
シンガポールは1965年の独立以来、海外の人材や資本を自らの成長源として取り込んできました。
今や1人当たりのGDPは5万2,961米ドル(2016年)と、日本の3万8,917米ドルを上回っています。
シンガポールの面積は東京23区よりやや大きい718.3㎢。
それに対して、総人口は540万人(2013年時点)、人口密度の高い国第2位(1位はモナコ)となっています。
外国人の大幅な増加により、不動産価格を初めとする物価上昇が進んでいるのが現状です。
ビジネス環境ランキング「Doing Business 2018」
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この状況下で隣国都市であるジョホールバルが、シンガポール人や外国人からとても注目を集めていることも事実です。
マレーシア南部ジョホール州はシンガポールの対岸に面しており、
実にシンガポールの3倍以上の面積をイスカンダル計画に充てています。
イスカンダル計画への累計投資額は2013年末時点で1,316億リンギと前年比23.8%増加。
この累計投資額の47%は外国投資額であり、隣国シンガポールが最大の投資国となっています。
■隣国都市ジョホールバル
シンガポールからジョホール海峡を挟んで対岸にあるジョホールバル。
1923年に4年間の工事を経て開通したコーズウェイ橋はジョホールバルとシンガポールを陸路でつなぐ橋です。
1923年に4年間の工事を経て開通し、総距離は1,056m。
渋滞がない場合は10分から15分程で渡ることが出来ます。
また1998年には、ヌサジャヤ地区付近にセカンドリンクが開通しています。
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コーズウェイ橋 |
セカンドリンク |
ジョホールバルとシンガポールの物価・年収の違いは大きく、
マレーシアの新卒平均月収RM2,500に対し、
シンガポールでは平均SGD3,000です。
その為「物価の安いジョホールバルに住んで、仕事はシンガポールでする」というジョホール州民は少なくありません。
その数は約400,000人と言われ、多くの人々が毎日コーズウェイ橋を渡って、シンガポールへ通勤しています。
コーズウェイだけでも1日に約6万台の車両が通過すると言われており、
夕方や休日には渋滞が起こる為、ピーク時には2~3時間を国境越えに費やすこともあります。
■物件価格
今やシンガポールの不動産価格は東京以上に高額となり、Global Property Guide(海外不動産ガイド)によると、
世界主要都市の不動産価格ランキングで第12位にランクインをしています。
一方マレーシアは第48位となっています。
Global Property Guide(海外不動産ガイド)
世界主要都市の不動産価格ランキング
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では、ジョホールバルとシンガポールの同水準の物件では、価格がどのように異なってくるのでしょうか。
両都市の条件が最も近い2つのコンドミニアム(日本のマンション)の価格を比較しました。
・シンガポール
「Clermont Residence」
購入価格:SGD3,434,640
面積:1,098SQF(約102㎡)
部屋数:3ベッドルーム+3バスルーム
施設:ジム、プール、ファンクションルーム、ラウンジ、24時間セキュリティーガード等
・ジョホールバル
「SUASANA」
購入価格:RM1,247,400
面積:1,236.55SQF(約115㎡)
部屋数:3ベッドルーム+2バスルーム
施設:ジム、BBQエリア、屋上展望デッキ、ラウンジ、会議室、24時間セキュリティーガード等
ご覧いただいてお気づきの様に、シンガポールと同水準の物件が1/5~1/10程度で購入できるため、郊外での生活を考えたシンガポール人を中心にジョホールバルの物件購入者が増加しているのです。
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