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マレーシアの税制
 

マレーシアの税には、直接税として法人所得税、個人所得税、石油所得税、不動産譲渡
益税があり、間接税として売上税、サービス税、輸出入税、物品税、印紙税などがあります。

ちなみに相続税、贈与税はありません
 

不動産取得や売買にあたって、また移住に関係する税金についてまとめてみました。


1. 個人所得税

個人は、マレーシアへの滞在期間によって税務上の居住者・非居住者に分けられ、適用
される個人所得税率が異なります。
 
居住者である個人の場合は、累進課税制度が適用されるため、一律の税率ではなく収入によって税率が変わり、最高税率は26%です。
非居住者の個人になりますと、累進課税制度が適用されないため、原則として一律26%の税金を納めることになります。
 
 個人所得税は、マレーシア国内の源泉所得について課税されます。
給与所得や臨時収入、現物支給額などが対象となります。
国外の源泉所得は、マレーシアに送金され、且つ居住者が受領する場合のみ課税対象となります。但し、MM2H保持者の日本国から送金された年金については、非課税です。
非居住者は、マレーシア国内源泉所得のみが課税対象となります。
非居住者である個人には源泉税が課され、受取利息には 15%が課税されます。
 
 
2. サービス税(Service Tax)

マレーシアにおける特定の施設の使用やサービスの提供に対してサービス税が課せられます。
サービス税の税率は、ほとんどの課税対象サービスの価格、料金について6%です。
レストラン、バー、ホテル、ゴルフのプレー料、弁護士/会計士への支払い、私立病院、測量士、コンサルタント、自動車修理、有料(衛星)テレビ放送サービスなどを含む、課税対象者および課税対象サービスに対して課せられます。
 
 
3. 物品・サービス税(GST:Goods and Service Tax)の導入

マレーシア政府は2014年度予算案で、現行の売上税(Sales Tax)およびサービス税(Service Tax)を、2015年4月から「物品・サービス税(GST)」という名称の包括的な消費税に置き換えると発表しました。
米、砂糖、調理油などの生活必需品や、住宅購入時、一般の電気料金(最初の毎時 200 キロワット分のみ)、水道料金、公共交通機関、政府提供の諸サービスには適用されない方針です。税率は6%の予定。
 
4. 物品税(Excise Duty)

ビール、スタウト・ビール、その他の酒、たばこの葉が含まれた巻たばこ、自動車、
トランプなどの特定の品目には、物品税が課せられています。物品税の税率は、課税対象品によって異なり、物品税の課税対象品の製造業者は、当該品目を製造するライセンスを取得しなければならなりません。
物品税の課税対象品の保管にも、倉庫ライセンスが必要になります。
一般的に、物品税は、当該品目が製造地を離れた時点で支払うことになりますが、自動車の物品税については、当該車両が道路交通局に登録された時点で支払われる仕組みになっています。輸出品に物品税はかかりません。 
 
5. 源泉徴収税

マレーシアでは、非居住者に対する利子、ロイヤルティ、技術料、プラントや機械設置にかかる据付け手数料、動産の賃貸料、請負工事代金のサービス部分などの特定の支払金に対して、源泉徴収税が課税されます。
源泉徴収税率は、利子が15%(日本・マレーシア二重課税防止条約(JMDTA)では10%)、ロイヤルティが10%(所得税法第109条)、技術料、据付手数料等が10%(所得税法第109B条)、工事請負代金のサービス部分が13%(所得税法107A条)です。
なお、2009年1月1日より、販売コミッション、保証料等の非居住者への支払いについても源泉徴収税の対象となりました。(所得税法109F条)。
 
6. 印紙税(Stamp Duty)

印紙税は、特定の証書および文書に対して課せられます。
印紙税の税率は、証書/文書の種類および取引価格によって異なります。
一部の証書や文書については、印紙税の免除が認められる場合があります。
 
主な印紙税率は以下のとおりです。

(1) 営業権、売掛金、買掛金などの譲渡に関わる文書

a. 譲渡価格10万リンギまで:100リンギごと(100リンギ未満切上げ、以下同)に印紙税1リンギ
b. 譲渡価格10万リンギ超、50万リンギまで:100リンギごとに印紙税2リンギ
c. 譲渡価格50万リンギを超過する額:100リンギごとに印紙税3リンギ
 
(2) 一般的契約書および覚書

一律10リンギ
 
(3) ローン契約書

a. 教育ローン:一律10リンギ
b. 教育ローン以外:ローン金額1,000リンギごと(1,000リンギ未満切上げ)に印紙税5リンギ
 
(4) 株式

評価額100リンギごと(100リンギ未満切上げ)に印紙税0.30リンギ
 
評価額とは以下の金額のうち最大のもの
・純資産
・売却価格
・株式額面金額
・純利益×株価収益率(PER)
 
(5) 建設請負契約等のサービス契約

サービス契約額の0.1%(2011年1月1日より)
 

7.不動産譲渡益税(RPGT:Real Property Gains Tax)

マレーシアに所在する不動産の販売は、RPGTの対象となります。
不動産は、「マレーシア所在のいかなる土地およびその土地をめぐる利権、訴権、または権利」と定義され、土地に付随する建物や建造物も含まれます。
 
 
2014年1月1日以降は下記の税率で課税される。

 保有期間  RPGT税率
 法人  個人
(マレーシア人及び永住者)
個人(外国人)
 取得日より3年以内 30% 30% 30% 
 4年目 20% 20% 30%
 5年目 15% 15% 30%
 6年目以降 5% 0% 5%

 
不動産譲渡益税(キャピタルゲイン税)とは
 
不動産譲渡益税(キャピタルゲイン税)とは、キャピタル(資産)、つまり、購入した不動産価格がゲイン(増加、上昇)した際の利益のことです。
購入した際の金額と、売却した際の金額の差が利益、つまりその利益のことです。
 
 
キャピタルゲイン税についての計算例です。

2011年2月購入物件A  物件価格:RM580,000
2014年購入物件A  売却 売却価格:RM670,000
単純に売却価格—購入価格にするとキャピタルゲインは RM90,000 です。
しかし、印紙税、売買契約書作成かかる弁護士費用、州政府合意取得費用が合わせて
RM12,760 住宅ローン申請費用 RM11,800 不動産仲介手数料 RM11,500
また、改装を施したので 改装費 RM10,000 
売却時の弁護士手数料 RM1,500  計 RM47,560 の諸費用をキャピタルゲインから
引いて、実質キャピタルゲインはRM42,400となります。
 
購入後3年後の売却ですのでキャピタルゲイン税は30%
RM42,400 x 30% = RM12,720 という計算になります。
このように諸費用を控除して計算すると、支払う税金は売却価格に対して約1.8%ということになります。
 
*購入時に支払った物件価格以外の費用は大切な控除になりますので、その証明として、領収書は必ず大切に保管しておいて下さい。


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