失敗したくない。他にリスクはないか。
そう考えて、いろいろ調べたり、多くの人の意見を聞いたりしているうちに、投資(参入)するタイミングが大幅に遅れしまい、良い物件(間取り)を買い逃したり、価格がだいぶ上がってから投資をすることになってしまったりと、リスク軽減のつもりがチャンスを逃すというマイナス面が発生してしまうことがよくあると思います。
先日、日経ビジネスONLINEの記事で、インド工業団地のマネージャーのコメントとして「どうして日本企業は韓国企業と違ってアクションが遅いんだ。このインドで大きな機会を逸しているのは非常に惜しい」という記事がありました。
そして、先日、東南アジアの企業進出のコンサルタントとお話しする機会があり、その話をしたところ、日本人はNATO(NO ACTION TALK ONLY)だと現地で揶揄されていて、問い合わせや調査ばかりで、なかなか実行に移さないということを伺いました。
お仕事をされていると、次のようなご経験はないでしょうか?
「会議ばっかりで、毎回結論が出ない・・・」
「トップが何がしたいか分からない・・・」
投資を長年されている方は、よく御存じだと思いますが、
投資は参入タイミングと、利益を確定させる(出口)タイミングが最も重要です。
不動産は中長期的な投資になりますので、そのトレンドサイクルというのは株、ファンド、FXよりかは比較的長い期間で投資を見ますので、一見、決断タイミングは長く取ることができると考えがちです。
しかし、今のジョホールバルの不動産購入に関して言えば、現地での優良物件、良い間取りはすぐに売り切れてしまいます。
出た時に「買う」「買わない」の判断を数日内には決めないといけません。
今回は、この「タイミング良く決断できない」ということについて、私なりに考えてみたいと思います。
例え話です。
Aさん、Bさん、Cさんの3人がファミリーレストランに入りました。
●Aさんはピザが食べたくて、この店に来ましたので、メニューの中からピザを探し、いくつかのピザの種類の中から、自分がおいしそうだと思えるものを注文しました。
●Bさんは1000円以内で、この店で一番人気のものを注文することにしていましたので、店員に「1000円以内のモノで、一番オーダーが多いものは何か」を聞き、それを注文しました。
●Cさんは、店に入り、メニューを見ましたが、ハンバーグも良さそうだし、ラーメンも捨てがたい、Aさんが頼んだピザも良さそうだな、、、寿司セットも良さそうだけど、ちょっと高いな、、、このセットは今なら飲み物とデザートが付いてるからお得な感じもするし、、、うーん、迷っちゃうなぁ・・・と一人だけなかなか注文できないでいました。
この3人の違いはどこにあるでしょうか?
それは、自分が欲しいものがわかっている、判断する根拠(条件)が明確になっているかどうかの違いです。
これは投資判断でも、企業進出でも、モノの購買でも同じだと思います。
投資はタイミングが大切だと誰もがわかっていますが、実は「タイミング良く判断を下すには、判断基準が明確になっていないとできない」ということです。
海外不動産投資であれば、
―何のために投資をするのか。
―なぜ日本ではなくて、海外で投資をするのか。
―この場所に投資チャンスはあるのか、ないのか。
―ここは今後上がるのか、下がるのか。
―上がるとすれば、上げている要因は何なのか。
―その要因はいつまで続きそうなのか。
など、
自分が欲しいものは何か、判断する基準は何かを見つける(整理する)ことができれば、決断のタイミングはおのずとついてくるのではないかと思います。
逆に、判断基準が整理されていないといつまでも決断できません。
仮に、判断基準が整理されていないまま決断をされ、不動産を取得された後に、想定していなかったようなことが起こった場合、どう
しても不満が出ますので、納得した投資をするためにも、自分が一体何をしたいのかを明確にされるのが良いと思います。
チャンスをつかむ決断をタイミング良くするには、日頃から「やりたいこと/決断根拠を明確にしておく必要がある」のではないかと思います。
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